B-1 |
1 世界の水事情
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世界の約60億の人口のなかで、安全な水を飲んでいる人はわずか12億人程度(全体の20%)
そのなかでも日本のように水道・下水道を使えるのはその半分にすぎない。 (注4)
安全な水を飲んでいても、6歳くらいから15Kmの道のりを歩いて水くみをすることが毎日の日課になっているようなケースも少なくない。
さらに世界では 3人のうち
2人が深刻な水問題をかかえている。
→ 世界どこでも
水道の蛇口をひねればすぐ水が出るわけではない! |
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B-2 |
2 世界のなかの 「日本の水事情」
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表3は 世界各国の水事情です。
紺色 →水が豊富にある
水色 →水が十分ある
緑色 →水がほぼ足りている
黄色 →水がやや不足
ピンク →水問題がある
赤 →深刻な水問題がある
さてわたしたちの日本はどうかと見てみれば、水資源が豊かなわりには
なんと「水がやや不足」で色分けされています。
その背景には 食料のかなりの部分を輸入にたよっている・・という事情がかくされているようです。
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B-3 |
3 世界から水を輸入している日本
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わたしたちが日常食べている食材に必要な水の量は?
わたしたちが
毎日口にしている食品ができるまでには、その何百・何千倍もの水が使われています。
主要な食材ができるまでに必要とされる水の量をみてみましょう。 |
穀物が 100g実るまで
に必要な水の量は・・ |
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とうもろこし → 190L |
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小麦 → 200L |
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白米 → 360L |
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食肉 100g になるまで
に必要な水の量は・・ |
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鶏肉 → 450L |
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豚肉 → 600L |
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牛肉→2000L (2トン!?) |
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このように 食材ができるまでには大量の水が必要です。
穀物を食べて成長する動物の食肉には、さらに多くの水が必要であることがわかります。
ちなみに ハンバーガー 1個 → 1000L (1トン) 牛丼 1杯 → 1890L
(約2トン)・・・と、 わたしたちがなにげなく食べている食事ができるまでに、大量の水が 見えない部分で使われているのです。
ですから、 食材や食品を輸入にたよっている日本では、水を目に見えない形で輸入している・・・といえるのです。
目には見えないこの水のことをバーチャル・ウォーター(仮想水)といいます。
試算によると 日本では 国内で使用する年間総水量・893億m3 とはべつに、 その3/4にあたる量の水(640億m3)を世界から輸入しています。 (注5) |
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B-4 |
4 まとめ
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世界では水で困っている人の方が多いのに、水資源に恵まれた日本では 世界中から水を見えないかたちで輸入している!
私たちの身近にある水資源を もっと有効に活用する気持ちを大切にしよう! |
(注4)
「京都アクションネットワーク」パンフレットより (注5) 沖大幹
助教授(東京大学生産技術研究所)ホームページからの出典
「平成18年版 日本の水資源」 国土交通省 土地・水資源局部水資源部 2006.8より
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